記事:ジム・ウツラー IBM Systems Magazine シニア・ライター

法令順守、そしてプラスアルファ

プロメディコ

プロメディコ社の監査証跡ソリューションはビジネスにボーナスをもたらした


 監査証跡は童話に出てくるパン屑に似ている。それは誰かに道を教え、それを撒いた人は元に戻ることができる。ところが監査証跡の有効性はパン屑と同じようなものである。もしそれが間違って置かれたり、(腹ペコの小鳥といった)何らかの理由で変えられたりした場合は皆が迷うことになる。日々規制が付け加わっていく現実の世界ではそれは許されないことだ。政府やその他の企業活動を監督する団体は、簡単に追跡することができ該当する標準や規制が確実に守られるような監査証跡を求めている。

 そんなわけで、プロメディコ社は監査証跡がパン屑の道しるべになってしまわないようにそれをセメントで固めることにした。医薬品流通のプロメディコ社は政府のさまざまな機関からの規制を受けている。同社は監査証跡を堅固なものにする為にRaz-Lee社のビジネス解析とアプリケーションセキュリティのソリューションであるAP-Journalを採用することにした。

AP-Journal1 単に先進的な監査証跡であるというだけではなく、プロメディコ社はこのソリューションにいくつかの役割をもたせようとした。すなわち、顧客の負債超過によって発送処理が止まることを防いだり、医薬品の有効期限が変更された場合は従業員に知らせたり、在庫のレベルを追跡する、といったことである。

 プロメディコ社のEPPマネージャー、デビッド・フォーナー氏は「AP-Jounalを選んだ主要な理由は規制をクリアするためでしたが、すぐに我々はこの製品を我々のビジネスの別の面に適用できることに気が付きました」と説明する。


! 同じルール
 プロメディコ社の本社はイスラエルのペタク・チクヴァにある。同社はサプライ・チェーンの真ん中にあり、国際的な医療品メーカーや医療用機器メーカーとイスラエルの薬局、病院、療養所、ドラッグストア、検査機関、研究施設、コンビニなどを仲立ちしていて、販売先は6,000にも上る。

「これらの組織の多くは自分たちでは直接輸入できない医薬品を扱っていて、我が社を通じて輸入します。これがビジネスの大部分を占めているのですが、そのほかに我々はセールス部門を持っていて、国中で化粧品や輸入雑貨を販売しています。」とフォーナー氏は言う。
 国際的な取引をしていることから、プロメディコ社はイスラエル政府、EU、そして米国政府などの多くの規制を受けている。そして、審査官がドアをノックしたときにはすべての規制を遵守していることを証明しなければならない。

 その一つとして米国FDA(Food and Drug Administration)の定めている電子記録と署名に関する規制の遵守がある。これは「優良販売実務者」の証明を取得するため、また、多国籍の薬品会社の監査をクリアするために必須のものとなっている。
「販売会社と製造会社は特定の規定に従うことを求められます。何か問題が起こったとき、例えば製品のリコールといった時には製造から販売までのサプライ・チェーンのすべてにわたって審査官に説明しなければなりません。我々は販売業者または卸売業者としてそのチェーンの中に居るので、すべての関連するデータを追跡可能にしておかなければなりません。つまるところ、我々は販売元の一部なので彼らと同じルールと規制の下にあります。」とフォーナー氏は言う。

 もちろん、Movex ERPパッケージで構築された同社のシステム(IBM Power System サーバー)によっていくつかの追跡は行われている。しかし、プロメディコ社のMovexのバージョンは古いものだったので、データが途中で書き換えられていないということの証明が不十分であるとして審査官は納得しなかった。
 これについてフォーナー氏は「我々は初期のバージョンのMovexを使って長年にわたって拡張してきましたが、これにはジャーナリングの機能が組み込まれていなかったのです。新しいバージョンにはジャーナリングがありましたが、古いバージョンでアプリケーションが何の問題もなく動く以上、我々としてはバージョンアップの必要を認めませんでした。」と説明する。

! 自然な移行
 プロメディコ社はカスタマイズされた以前のバージョンのMovexを捨て去るより、補足的な監査とジャーナリングのシステムを探すことを選んだ。それによって、もしファイルが誰かに変更されたらその事業部門の管理者に自動的にその旨の通知が行くようにするのである。以前はプロメディコ社はこうした類のレポートをたくさん作成していた。しかし、これは面倒なだけではなく時間のかかるものであった。

 他の製品を評価したのちに、プロメディコ社は2009年1月にAP-Journalを導入することを決定した。その理由は製品の機能が堅固なものであったことと、同社がRaz-Lee社のCPUScopeとDiscScopeを使っていたことによる。「我々はRaz-Leeのインターフェースに慣れていたので、ごく自然な移行でした。」とフォーナー氏は語る。

 わずか一日半の間に3回のトレーニング・セッションと導入および設定(ジャーナルされるべきファイル、どのような変更が自動通知を引き起こすか)を終え、AP-Journalは実運用に入った。AP-Journalはあらかじめ指定された管理者にショートメッセージ、SYSLOG、e-Mail、MSGQ等様々な方法で通知を送ることができる。「購買でも、財務でも、倉庫でも、ITで誰にでも、何人でも状況に応じて通知を送ることができます。」とフォーナー氏は言う。

! 基本機能を超えて
 基本的な監査証跡の機能を実現すると、プロメディコ社はさらに別の問題を解決しにかかった。たとえば、発送を妨げる顧客の信用問題である。日中であれば財務のマネージャーが対応するのでこれは大きな問題ではない。しかしマネージャーが帰宅した後にはデータ入力担当者はどう事態に対処したらいいかわからなかったり、処置のための権限がなかったりする。そうした場合、通知が財務マネージャーに送られ、マネージャーは処理を翌日まで保留するか、緊急の場合はリモートからシステムにログオンして正確に何が起こっているのかを把握する。
 同様に、特定の製品が在庫が0から1以上に変わると入庫の通知が調達責任者に送られ、お待ちいただいているお客様への発送手続きを直ちに進めることができる。「この自動化されたプロセスによって、我々は在庫を調べに行く必要がなくなりました。」とフォーナー氏は言う。「その代わりに、我々は商品が入庫するとすぐに通知を受けることになり、それによってターンアラウンドが短くなりました。」
 在庫があらかじめ決められた数量を割ったとき、価格が変わったとき、注文が取り消されたり変わったりしたときなどにも通知が送られる。「我々はとても沢山の条件を監視しています。」
 もっと重要な条件は医薬品の有効期限の変更である。特定の認可された薬剤師だけが医薬品を棚に置いておく期間を決めることができる。そこで、有効期限の変更があると、関係するスタッフに一斉に通知が送られ、これらの薬剤師にきちんと変更が伝わっているかの確認をすることになっている。一度AP-Journalをプロメディコ社がデモしている最中にこのような通知が送られたことがあった。「こうした機能がなかったら、有効期限の変更に気づきもしなかったでしょう」とフォーナー氏は言う。

! 簡単な追跡
 次から次へと新しい規制が毎日のように起こってくる。多くの会社ではいつ審査官がくるかを知ることに汲々としている。プロメディコ社の場合は簡単に監査証跡を追跡することができる。これはプロメディコ社にも供給元にも利益をもたらしている。
 それにとどまらず、AP-Journalを導入した後ではプロメディコ社は非常に構成のしやすい通知システムを手にすることになり、それはビジネスの様々な面を改革することになった。
 この種のソリューションに対する投資の見返りを計算するのは容易ではないが、フォーナー氏は「十分に元がとれた」と信じている。「簡単な計算です。もしAP-Journalがなかったら我が社は主要な供給元の監査をクリアできなかったでしょうし。我々がその能力を見せない限り、彼らは我々と取引しなかったでしょうから」


COMPANY PROFILE
企業:プロメディコ(Promedico Ltd.)
本社:ペタク・チクヴァ(イスラエル)
業態:医薬品のサプライ・チェーン
   ヘルスケア関係施設への医療機器のレンタル