注:本記事はiMagazine February/2012に掲載されたものです

バックアップ環境の構築

大森機械工業株式会社

計画停電を契機に
バックアップツールを利用した二重化体制を確立

  • 計画停電の実施で全拠点からのシステム利用が停止
  • 「LaserVault Backup」でサーバー間のデータ同期を実現
  • CLプログラムを組み込み保管・転送・復元を自動化
は、仙台営業所の建物が被災したものの、全社的な生産・出荷業務には大きな支障はなく、ほどなく再開された。
しかしその直後から実施された東京電力管内の計画停電によって本社のあるエリアが数回にわたり、2〜3時間停電し、業務に大きな支障が生じたという。変則シフトを組み、計画停電の影響をできるだけ回避するよう全社一丸となって努力したが、情報システムが停止する事態は避けられなかった。
同社は販売管理・生産管理・会計・給与の各システムを当時、iSeries(9406-810)上で運用していた。基幹を含むサーバー類は全て本社にあったため、計画停電が実施されるた
! 計画停電の実施で
全拠点がシステムを利用できず
 大森機械工業は創業64年、包装機械専業となってからも50年以上の実績を誇る。
同社は包装機械メーカーのパイオニアとして、食品・飲料・薬品などの産業分野に対し、安心・安全・安定を保証する包装機械を供給するだけでなく、包装体や一貫包装システム、無人化、24時間稼働など包装工程全体の合理化に向けて提案を強化するとともに、環境との共生を積極的に推進しながら、事業を拡大してきた。
本社は埼玉県越谷市にある。昨年3月11日に発生した東日本大震災で

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書き込む。そのLVBサーバーから回線経由で、長岡工場にあるバックアップ用のLVBサーバーへデータを送信。さらにLVBサーバーからバックアップ機へデータを復元する仕組みだ。
本番機からのバックアップ作業は深夜0時から開始。スケジュール運用はCLプログラムを組み込んで、保管・転送・復元まで全て自動化されている。差分ではなく、毎回全データを送信するので、データ量は約20GBほどになるが、圧縮するので、実効速度2Mbpsという帯域の通信回線でも支障はない。本番機からのバックアップ開始から長岡工場側でのリストア終了まで、約2時間半程度で完了する。
結局、夏の企画停電の実施は見送られたため、このバックアップ体制は当初の予定より少し遅らせ、2011年9月からスタートした。
同社では基幹系以外にも、重要度の高いLotus Notes/Dominoサーバー、オフィス系のデータを保管するファイルサーバー、CADのデータを保管する図面データサーバーに対しても二重化を実施し、今年春までに終了する。またその他のサーバー類も、ハードウェアの更新時期に合わせて段階的に二重化していく計画である。
災害発生を想定した基盤整備が一通り終了した今後は、サーバー切り替え時の対応マニュアルの作成を進め、組織面を含めた運用体制を確立していくことになるようだ。
! LaserValt Backupを利用し
1日1回のデータバックアップ
 同社では9406-810上でLotus Notes/Dominoも運用していたが、現行バージョンの6.5から8.5へ更新する2012年3月をめどに、Windowsサーバーへ移行し、同時に810をPower 720へグレードアップする計画を進めていた。
しかしIT課では、先の経営側の判断を受け、マシンの更新を夏季の計画停電に間に合うよう2011年7月に前倒し、バックアップ機としてもう1台のPower 720を長岡工場に設置することを決定。サーバーの二重化とデータ同期の具体的な手法を調査し始めた。
検討したのは、以下の3案である。
HAソリューションを利用してリアルタイム・バックアップを実施し、有事には即座に本番機を切り替える。
夜間バッチで本番機からバックアップ機へ1日1回、データを同期させる。
本番機のデータを吸い上げたテープを長岡工場へ輸送し、毎日バックアップ機へリストアする。
 結果的に同社が採用したのは、(2)である。(1)はHAソリューションのライセンス料金に加え、Lotus Notes/Dominoのデータバックアップまでを考えると、導入コストが高額になる。(3)は同期のタイムラグが長く、テープ輸送中の事故や紛失も懸念されるといった理由により見送られた。
(2)については、かねてからシステム開発を支援してきたAGSビジネスコンピューターの提案を受け、バックアップツールに「LaserVault Backup」(三和コムテック、以下LVB)を採用した。
バックアップの流れは、以下のようになる。
まず本社にある本番機からIBM i上の全データをPCサーバー上のLVBに

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