注:本記事はiMagazine 4号に掲載されたものです。(c)iMagazine

先進のユーザー事例 運用管理

西濃運輸株式会社

System i上でメインフレームと同じ運用監視を実現


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  • System i対応の監視ツール
  • UNIX、Linux、Windowsなどにも対応
  • 音声通知とNotesへの連携を作り込む
! IBMメインフレームから約2年をかけて移行
  西濃運輸は、2007年1月にメインサーバーをIBMメインフレーム(zSeries 800)からSystem i(モデル570)へ切り替え、メインフレーム上で稼働させていた全国の荷物の集荷・配送状況を管理する基幹システムをSystem iへマイグレーションして、運用を開始した。このプロジェクトは、変換対象となるプログラムが、COBOL1万1500本、アセンブラ50本、その他約4000本という大規模なもので、約2年をかけて移行を完了した。
  移行先のプラットフォームにSysytem iを選択したのは、全国420拠点の集荷・配送情報を管理するサーバーにSystem iを利用してきた経験があり、加えて「IBMメインフレームとの親和性が高い」(セイノー情報サービス 技術部技術二課課長の奥西哲也氏)と判断したからである。System iは、当初、地域を統括する主要60拠点それぞれに配置していたが、2000年にこの60拠点60台のAS/400を一挙に1台のiSeriesに(モデル830)に統合した経緯がある。
  今回のマイグレーションに際しては、従来のモデル830をモデル570へアップグレードし、その一台のSystem iにすべてを統合している。 具体的には、LPARで4区画を設け、うち3区画を全国80拠点の集荷・配送情報の管理に使用し、残り1区画をマイグレーションする旧メインフレームの基幹システムに当てる構成にした。
! System iでもメインフレーム時の運用を継続
  ここで同社の特徴と言えるのが、このマイグレーションした基幹システムの運用を、「メインフレームで行っていたやり方とすべて同じにする」(奥西氏)とした点である。つまり、メインフレームの運用形態をそのままSystem iへ持ち込もうというわけである。
  ところが、System iはプラットフォームの仕組みとして、メインフレームとは大きく異なる。
  「例えば、システムの稼働状況を示すメッセージの出し方も、メインフレームではジョブログを出力させることが基本ですが、System iの方はエラーを起こした時にだけ出すような違いがあります。System iは“オール・イン・ワン”的で、マシンがいろいろな処理を自動で実行しますが、その分、ブラックボックスの部分があります。これに対して、メインフレームは管理者が手を入れて必要な機能を追加し、システムとして完成させるのが基本です。2つのマシンは設計思想が根本的に異なると感じています」と、メインフレームの運用管理を担当してきた奥西氏は感想を述べる。
! VMCをベースに音声通知とNotes連携を開発
  同社はそれまで、日本IBMのネットワーク監視ツール「NetView」を使い、基幹システムのエラーメッセージを管理者のPCへ送って音声通知するシステムを運用してきた。それをSystem i環境に持ち込むことを予定していたが、新たに三和コムテックのメッセージ監視ツール「Visual Message Center」(VMC)をベースに開発することとした。
  開発したシステムは、次のような内容を持つ。まず、VMCがSystem iのバッチジョブやオンラインジョブを常時監視する。そして、エラーが発生すると管理者のPCへメッセージ転送を行い、画面にアラートを表示するとともに音声でその障害内容を読み上げる。さらにNotesへ連動させて、障害の詳細と対応手順などを掲示する、という仕組みである。これにより、管理者はコンソールを常時監視することが不要になり、かつ音声通知によりメッセージの見落としや発見の遅れを回避することが可能になる。
  音声通知とNotesへの連動は、セイノー情報サービスが開発した。このNotesへの連動は、従来のメインフレームベースのシステムではなく、今回初めて搭載したものである。このシステムのために用意したNotes画面は約400。エラーメッセージが発生すると、その詳細をすぐに確認し、スピーディに対応できる運用環境が整った。
  また、同社のシステム監視は24時間・365日体制で行われ、多数の監視要員が入れ替わりで業務につく。この点に関して、奥西氏は「Notesへのエスカレーションによって、運用業務を標準化する基盤も整った」と次のように説明する。
「これまで、エラーメッセージが発生すると、エラーの識別コードを確認し対応手順を探すということをやっていました。この点で、運用担当者の経験や判断に依存する部分がありましたが、Notesへのエスカレーションによってエラーへの対応方法が明確に分かるようになりました。運用管理作業の標準化につながると考えています」
  なお、この新しい運用監視システムを稼働させる前段として、同社では業務アプリケーション側に手を加え、VMCにメッセージ検知させたい情報を統一フォーマットで出力する作り込みを行った。この結果、「1日に約20万行のメッセージが表示されるようになった」という。System iから出される通常のメッセージは5000行程度なので、新システムによって、いかに細かい運用監視/管理が可能になっているかが想像できる。
  同社では今後、このシステムをパッケージ化し、外販する予定という。最近、メインフレームからSystem iへの移行が増えているが、System iをメインフレーム的に活用するための有力なツールとなりそうである。


COMPANY PROFILE
西濃運輸株式会社
創業:1930年
設立:1946年
本社:岐阜県大垣市
資本金:424億8100万円
売上高:4494億8500万円(連結)
従業員:約1万2000名(西濃運輸、2007年9月)
http://www.seino.co.jp/
http://www.seino.co.jp/sis