注:本記事はiMagazine No.14に掲載されたものです。(c)iMagazine

先進のユーザー事例C HAによる二重化とログ管理

株式会社ショーワ

サーバー統合を機に 二重化体制とセキュリティ環境の整備に着手

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  • 6台のAS/400を1台の525へLPARを活用して統合
  • MIMIXの導入で二重化体制を実現
  • Security+++のログとNotes/Dominoの申請・承認データを突き合わせ
! 6台のAS/400を本社へサーバー統合
 ショーワは大手部品メーカーとして、二輪車用、四輪車用およびボート用の各種部品を製造・販売している。
 主力製品は、ショックアブソーバおよびパワーステアリングシステム。ショックアブソーバは、高張力材を採用して 乗り心地や燃費を向上できる軽量構造の開発に取り組み、国内外で高いシェアを誇る。 またパワーステアリングでは、20年来の油圧式の生産実績に加え、環境保全を狙いにした電動式の製品開発にもいち早く着手した。ラックアシスト(同軸式)電動パワーステアリングについては、世界最初の量産実績を有している。
  本田技研工業の系列だが、現在は国内外の多くのメーカーにも、前述の輸送用機器向け機密機能部品を幅広く供給している。
  国内には行田・名古屋・浅羽・御殿場・秦野の5カ所に主力工場を擁するほか、北米・南米・欧州・アジアと世界中に展開する生産・販売拠点と連動し、 最適生産・最適調達を実現している。
  同社は長くNECの汎用機であるACOS上で基幹業務システムを運用してきたが、Y2K問題への対処を契機に2000年2月、AS/400へリプレースしている。当時、COBOLで開発していた受注・出荷・売上管理を軸とする販売系システム、および工程管理・組立管理・品質管理・購買管理・原価管理・在庫管理・ 技術仕様情報管理などの生産系システムは全て、ストレートコンバージョンによりAS/400へ移行した。
  それぞれの生産工場に最適化したシステムを運用するため、当時は行田・名古屋・浅羽・御殿場・秦野の各工場にAS/400を導入。 これに本社にある開発機を加えて、合計6台のAS/400を運用していた。
  しかし2007年に予定していたシステム更新を控え、運用管理性の向上やIT投資の効率化を目的に6台のAS/400を、本社に導入した1台のSysytem i(9406-525)へ統合する計画が浮上した、 5工場および開発機として運用していた6台のAS/400は、525上に6つのLPARを構成して統合するというプランである。
  この統合プロジェクトでは、同時に2つの新規導入が検討された。1つは障害発生時に、業務への影響が全工場に及ぶサーバー統合のリスクを回避するため、バックアップ機とHAソリューションを導入して、サーバーの二重化体制を実現すること。そしてもう1つは、内部統制対策の一環として、 ログ管理システムの導入によるセキュリティ環境を確立することであった。
 そして同社がHAソリューションとして採用したのは、「MIMIX」(三和コムテック)、およびログ管理・分析を実行するためのセキュリティシステムとして導入したのは、「Security+++」(同上)であった。
! Security+++のログデータと申請・承認データを突き合わせ
  MIMIXの採用を決めたのは、ハードウェアの導入を支援していた日本情報通信の提案を評価した結果である。 2007年12月に採用を決定。本番機は埼玉県行田市の本社に設置する一方、バックアップ機として導入したもう1台の525は、本社の近隣にある埼玉第2工場に設置した。
  工場ごとにAS/400の段階的な統合が完了した2009年2月から、本番機とバックアップ機間で、開発リソースを含む全データ/オブジェクトを対象にレプリケーションを開始。 その後、災害対策を兼ねて、2008年夏、高度な耐震性を備えた新工場として竣工していた御殿場工場にバックアップ機を移設している。
  また、セキュリティシステムの製品選定は、HAソリューションの検討に先立つ2006年頃にスタートした。
  同社では内部統制プロジェクトがこの年に始動しており、情報システム室では、同プロジェクトが発足直後から、セキュリティシステムの導入を検討し始めたようだ。この時は、当時System i上で稼働する代表的な3製品を詳細に比較検討した。 そして機能性と導入コストのバランスが最もよく、かつ技術サポートの評価が高い「Security+++」を採用した。 導入は2007年冬である。
  ログの監視対象は、プログラム変更履歴、ユーザープロファイル変更履歴、直接データ修正履歴などである。
  同社の情報システム室は、企画開発課に8名、管理運用課に8名と本社系で合計16名の人員を擁するほか、各工場で1〜2名がプログラムの運用・管理に携わっている。Security+++でのログ管理対象となるのは、 このうち本社・工場と合わせて約15名程度である。
  同社では既に2000年頃から、LotusNotes/Dominoを使っていたが、2008年7月よりWeb上でプログラム改善の依頼・承認を行うワークフローシステムの運用を開始している。「改善要望打ち上げDB」と呼ばれる このワークフローシステムでは、エンドユーザー部門の担当者から日々、プログラムの修正・改善要望が寄せられている。
  Security+++導入後は、「改善要望打ち上げDB」で申請・承認されている依頼内容(自動採番されるプロジェクト番号、社員番号、依頼内容、申請者および申請・承認日時など)が記載された一覧リストと、 Security+++がCSVで出力し、Excelでリスト化した変更履歴データを突き合わせ、申請・承認内容と実際の変更作業に不整合がないかどうか半月に1回、管理運用課の木村友重課長(管理本部情報システム室)自らがチェックしている。 修正件数は、各工場分と合わせて半月に約30〜40件になる。
「申請洩れのほとんどは、至急の対応が必要な依頼を電話で受け、その場のスタッフがすぐに対処する、という種類のものです。しかし、Security+++導入後は、申請・承認に紐づかない変更作業は、必ず指摘し、チェックを入れるため、スタッフのセキュリティ意識は非常に向上しています。」 と語る木村課長。続いて、実際の開発を統括する企画開発課の河野広志課長(管理本部情報システム室)も、次のように指摘する。
  「申請洩れはほとんど解消され、電話をその場で受けた人間がプログラムを修正するのではなく、あらかじめ決められた担当者がきちんと対処するなど、役割分担が鮮明化しています。こうした『データの見える化』が、意識向上に与える効果を実感しています」
  同社ではこうした二重化およびセキュリティ対策という十全なインフラ環境の整備を経て、今年は生産計画や購買・発注計画などを支援する計画系システムの強化に向けて動き出しているようだ。
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COMPANY PROFILE
創立:1938年
本社:埼玉県行田市
資本金:126億9800万円(2009年3月)
売上高:2715億1000万円(連結、2009年3月)
従業員:1万1490名(連結、2009年3月)
http://www.showa1.com